設置後15年間、自己校正機能を備えたセンスエアCO₂センサはメンテナンスフリーで人知れず正確な測定を続けます!
センスエア社の全てのセンサは、内蔵の自己補正ABCアルゴリズムにより、通常の使用環境ではメンテナンスフリーです。ABCは自動ベースライン補正を意味し、メンテナンスフリーガスセンサを実現しているセンスエア社の自動自己校正機能です。このアルゴリズムにより、センスエア社のセンサは15年超の期待寿命を有しており、通常の屋内空気のアプリケーションでは自動校正以外の校正を必要としません。
ABCアルゴリズムは、予め設定された時間インターバル中のCO₂センサの最小測定値を常に内部記録し、一般に400ppm(0.04%)と想定される新鮮な空気との比較により、検出されたセンサの長期ドリフトを緩やかに補正していきます。通常の屋内アプリケーションでは、CO₂のレベルは一週間の間のある時間帯に屋外空気に近い値まで下がります(無人の夜間など)。従って、8日間のCO₂値をサンプリングし、その最小値を400ppmと比較することによって、CO₂センサはそのゼロ点調整が必要かどうかを理解することができます。尚、急激な補正(オーバーシュート)を避けるため、自動補正1回当りの補正幅は制限されています。
もしCO₂センサが炭化水素を検出している場合は、このガスは大抵の場合0ppmに近いレベルです。何れの場合も、ABCのセットポイントは調整可能です。ABCアルゴリズムはビルに人がいないときにCO₂レベルが安定するという事実を利用しています。
CO₂センサの乱暴な取扱いや輸送、経年などがセンサの精度を低下させる可能性があります。時間の経過に応じて、ABC機能はCO₂値を正しい値に調整していきます。
空間が常に人やCO₂発生源となる機器に専有されていて、雰囲気中のCO₂が屋外のレベルまで低下する時間帯がない場合、ABCアルゴリズムは正常に動作しません。これは、CO₂濃度を意図的に高めるビニールハウスや、CO₂が常に高いレベルになり得る閉鎖された狭い空間における場合です。これらのアプリケーションではABC機能を無効にすることができます。ABC機能なしでCO₂センサを使用する場合は、使用環境にもよりますが、少なくとも2~3年に一度、センサの校正を行って下さい。
CO₂濃度レベルは時には、自己校正アルゴリズムが想定している400ppmよりも高いまたは低い場合があります。CO₂濃度を基準とする換気制御は、屋内と屋外のCO₂濃度の差を測定することに基づいています。CO₂濃度の最小レベルが400ppmであるかどうかが問題ではなく、適切な換気制御を行うには、CO₂濃度が基準レベルある時間帯と、人や機器に専有されている時間帯との差を知ることで十分です。このABCアルゴリズムは、屋内と屋外のCO₂濃度の差を絶えず測定するために、センサを屋外に設置するのと同じ効果をもっています。
センサは、設定された一定の期間中にバックグラウンドを測定している間は、前回行われた校正の結果を維持します。また、センサの電子回路、電子部品は少なくとも15年の期待寿命を持てるよう選定されています。
下の図はビル内の代表的なCO₂濃度の変化を示しています。CO₂濃度の変化は、変化するビル内の滞留者の数によって生み出されます。図にはABC校正期間の8日間(デフォルト設定値)が示されています。各校正期間の終りに、センサは、測定したCO₂濃度の最小ppm値が図に示されたバックグラウンドレベル(400)に近づくよう、自動的に最適化されます。
センサを比較選定するときは、単にセンサのイニシャルコストのみならず、センサのライフタイムやその間に要する取替費用、メンテナンスコストも考慮することが重要です。