従来の換気システムでは、特に換気が粗末で混み合った部屋では、CO₂濃度はしばしば1000ppmを超えます。最適化されていない換気システムでは、室内のCO₂濃度レベルは4000ppm、5000ppmに達します。例えば、幾つかの学校の教室のCO₂濃度が時として3000ppmを超えることが報告されています。
数多くの臨床研究が、1000ppmの室内CO₂濃度レベルに達すると人のパフォーマンスや意思決定を損なわせるということを示しています。例えば、米国環境健康科学研究所、"環境保健展望"(雑誌)は、そのような種類の研究結果を出版しています(それぞれ、2015年10月、2012年12月に)。
これら二つの研究の共通する五つのテスト領域(基本行動レベル、応用行動レベル、情報の使い方、アプローチの幅および方法)が非常に類似した研究結果を示しています。
平均して、これらのテスト領域では、CO₂濃度レベルが600ppmから1000ppmに増加すると、ひとのパフォーマンスや意思決定力は約20%低下します。1400ppmでの平均低下率は50%、2500ppmでは低下率は65%に達します。
これらの研究によれば、室内CO₂濃度レベルが1000ppmを超えると、人のメンタルな能力が著しく低下することが明らかです。ほとんどの会社にとって、従業員のパフォーマンスは利益を生み出すためのバイタルな要素です。従って、この検証されたパフォーマンスの低下は経済的に重要なものであるに違いありません。
継続的な測定と換気システムの調整によって、室内のCO₂濃度レベルは低く保つことができ、最適な生産性も維持できます。また、同時に、エネルギーコストをできるだけ低く維持することもできます。